看護師のマタハラ対処法と4つの注意事項

看護師は女性が多いですし、職場にも独特な雰囲気があると考えられます。他の看護師の方が結婚をして妊娠、産休を取得するという場面に出会うこともあるでしょう。
また、あなた自身もそういった立場になることもあり得ます。
そうした看護師の働く現場においては、同じ女性同士だからこそ妊娠・出産について理解がある職場であることが求められますが、全てがそうした現場ばかりではないのです。マタハラという言葉が最近浸透し始めています。マタニティー・ハラスメントの事で、女性が妊娠したことを理由にして不平等な扱いをされることを差します。
1.過去に看護師は出産制限が行われていた?

マタハラは以前よりあるもので、1950年代にはとある病院にて『出産制限』が行われていました。1年間に産休を取ることのできる期間や人数が制限されるもので、その病院に勤めていた看護師同士で協議をして、該当した人数だけが産休を取得することが可能でした。
そして、それ以外の看護師が妊娠して出産をしたいと望んだ場合は、中絶をするように言われるということがあったのです。現在ではありえない話にはなると思いますが、看護師の歴史上事実となります。
昨今でも、出産を経験した先輩看護師としても、出産の大変さはわかっているはずですが、つい自分の時と比較して妊婦看護師に辛く言ってしまうこともあるのでしょう。そういったことからも、妊婦看護師の方は申し訳なさから妊娠していて大変であっても、頑張ろうとしてしまうのです。
2.看護師マタハラの事例について

日本医療労働組合連合会が調査したところ、看護師が切迫流産となってしまったのは34%にもなっており、20年前に比べて10%も増えています。
このため、看護師のマタハラが社会問題になりつつあります。
夜勤や残業などが免除となっていなかったり、つわり休暇などの取得がされていないことが原因となっているのです。これは、職場に休暇などを取得しにくい雰囲気があったり、妊娠している看護師自身が職場に迷惑をかけられないと考えることによって起こることです。
どのような看護師のマタハラ事例があるか、確認しておきましょう。
事例1.配置換え希望による管理職降格

- 32歳
- 正看護師
- 大手総合病院勤務
他の医療関係の現場ですと、ある職員の女性が第2子を妊娠したので、負担を軽減したいと考え作業が軽くなる配置に変えてもらおうとしたところ、管理職だったものを解かれ、降格になってしまったということです。
その方は男女雇用機会均等法に反するとして病院を提訴しました。結果として、その女性は最高裁で勝訴し、『マタハラ』の事例として注目されました。
事例2.クビにする材料を探される

-
26歳
-
正看護師
-
総合病院勤務
仕事を真面目にこなしていたAさんは、妊娠していることが発覚し、産休などの制度を病院に相談しました。病院側は非常にやっかいな案件だと捉えられて、Aさんをクビにすることはできないか、その材料(遅刻や仕事の勤務態度)などのあら捜しをされました。
看護師の仕事内容によっては、多忙を極めるため、ミスや仕事の遅延は起こりうるものですが、先輩看護師(管理職)の態度も一遍したため、その病院を産休とともに退職することが決定しました。
事例3.”いやがらせ”と”いじめ”を受ける

-
27歳
-
正看護師
-
一般病院勤務
病院経営者にとっては産休に入る看護師は人件費の圧迫になり、現場の看護師(同僚)にとっても産休に入る看護師は邪魔な存在として扱われるケースが多く、それにたいする”いやがらせ”と”いじめ”がある病院も増えています。
こちらのBさんに関しては、「重いものをわざと持たされる」「目の前でタバコを吸われる」「心無い言葉をいわれる」などの”いじめ”に合ってしまい、産休前に自分のことを考えて退職してしまいました。
3.看護師マタハラの4つの対処方法

マタハラを受けてしまった、マタハラだと感じてしまった時の4つの対処方法について解説していきます。
一般的な対処方法になりますが、現在の自分のため、これからの看護師のために頑張っていただくことをお願いします。
何事も意見を言うことや実行に移すことは勇気が必要です。勇気をもって対応してみてください。
配属先の変更を願い出る

マタハラを受けるケースは基本的に病院ぐるみな時でも直属の上司に受ける場合が多くあります。
そのため、配属先の変更ができる場合であれば、マタハラを感じたときにすぐに移動しましょう。
勇気をもって退職する

後から何を言われても、また病院を変わればいいだけです。切迫流産などをするぐらいなら、進んで退職しましょう。
看護師として子供が生まれても看護師として働けなくなることはまず、現時点ではありません。退職ができなければ、出勤拒否もしましょう。
信頼できる上司や管轄に相談する

まずは病院内で誰かに相談しましょう。相談したうえでひどくなるマタハラも存在しますので、その場合は退職をすればよいだけです。
まずは、勇気をもって改善要求をすることが第一歩です。
証拠を残しておく

すぐの解決策にはなりませんが、マタハラを受けたときにはなるべく証拠を残しておきましょう。
全国労働基準監督署や弁護士に相談する際、また都道府県労働委員会の窓口へ「個別労働紛争のあっせん」などに報告する際に、立証することができる証拠が必要となります。
他の看護師のことも考えて必ず対処しておきましょう。
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マタハラは、人手不足も要因の一つです。なので、経営者が妊婦看護師について理解をし、皆が余裕を持って働けるような看護師の配置などを、適切に行ってくれる環境であることが大切です。
4.マタハラがある病院の見分け方について

看護師のマタハラが起こる病院とは、古い考え方が残っている病院に非常に多く見受けられます。
子供が生まれたら女性はやめるべき、人材が少ないのだから、出産直前までは働けるでしょ、私の昔の頃はね。など、このような考え方をしている病院が多いのです。
では、マタハラがない病院とはどのような病院なのでしょうか。
産休中の看護師が複数いる病院

産休中の看護師がいる病院は非価格的マタハラに合う可能性が少ないと考えてよいです。
産休の取得実績などを入職前に確認することをお勧めします。確認する項目は以下になります。
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産休の取得実績はあるか
-
産休している看護師はいるか、人数は
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取得実績のみであれば、いつ頃取得したか、その看護師はどうなっているか
など、なるべく具体的に聞きましょう。
面接などで聞く場合に、印象が悪くなることを恐れる場合が、看護師専用の転職サイトを利用して担当者に聞いてもらいましょう。
看護師転職サイトも50社ほど全国にあるので、「」で人気があるものを選び、比較のために複数利用してみてください。
雇用条件に育児休暇を記載している病院

転職や再入職をする場合の雇用条件を確認することも非常に大事です。
「育児休暇」と記載があるか必ず確認をして、さらには上記で述べた産休取得実績の有無を確認することは鉄板です。
24時間の託児所、院内保育が併設されている病院

24時間の院内保育などの設備が整っている病院は比較的ママさんナースが多いため、マタハラは少ないといえます。
ただ、ママさんナースの中でも人間関係は存在するので、マタハラとは違った悩みを抱える傾向があります。
院内保育があるからといって安心することなく、条件面や雰囲気をチェックしましょう。
看護師マタハラについてのまとめ

看護師マタハラについての対処法は、看護師同士でもコミュニケーションを円滑に計っている職場が望ましいです。
そうした職場は、妊婦に対する気持ちも理解し、関係も良好に築くことができるのです。
もしマタハラを受けたら、対策として上司などに相談することが大切ですが、もしそれでも改善がなされない場合は、労働基準監督署や弁護士などに相談するようにしましょう。
以下コメントお待ちしております。


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