作業療法士(OT)へ看護師資格でキャリアアップ

難易度:★★★★☆
主催:厚生労働省
試験料等:10,100円
受験期間:毎年3月頃
保有者数:57,196名
合格率等:約80%
「作業療法士」とは医師の指示の元に作業療法を行う医療従事者の一種であり、英語を略して「OT」と呼ばれることもあります。同分野としては理学療法士や言語聴覚士、視能訓練士などがあり、医療の中でもリハビリテーション職に分類されます。

日本作業療法士協会の定義によれば、作業療法士とは「身体または精神に障害のある者に対して諸機能の回復や維持開発を促すことを目的とした作業活動を用いて行う治療、訓練、指導、援助を行い、その主体的な生活の獲得を図るとありますが、簡単に言えば心身に障害を持つ人が日常生活を営んだり社会復帰したりできるよう心身機能を回復させるサポートをする人ということ。
具体的には、例えば関節の動きを滑らかにし筋力を回復させたり食事や着替え、入浴など日常生活に欠かせない動作の訓練をしたり、更にはロールプレイを通して問題解決能力や学習能力を回復させ社会復帰を促したりといった仕事を行います。
受験資格と資格取得方法

【受験資格の条件】
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作業療法士養成学校もしくは養成施設で3年以上作業療法について修得していること
または、海外の同様の学校や養成機関を卒業した後、作業療法士に相当する免許を取得しており、1つ目に相当する知識、技術を得ていると認定されること

作業療法士になるには作業療法士国家試験を受験し、合格しなければなりません。
国家試験の受験資格は、作業療法士養成課程のある大学や短大、専門学校などで3年あるいは4年間学んで所定の課程を修了し卒業した者に与えられますが、学校によっては合格見込みのない学生には受験資格を与えないというところもあるようです。
そのような厳しい学校に所属するとかなりの勉強量が求められるかもしれませんが、その分国家試験の合格率は高まりますし、実際に作業療法士として働く場合にその能力を十分発揮でき、職場で活躍することができるかもしれません。
理学療法士の資格保有者について

また、既に理学療法士の資格を持っている人は、養成学校で2年学べば受験資格を得ることができます。
更に今のところ一度取得した作業療法士の資格には更新の必要はなく、一生残る肩書きになるようです。
作業療法士(OT)の保有者数と難易度

作業療法士は国家資格であるため、国家試験を受けて合格することで厚生労働省より認定を受ける必要があります。
作業療法士国家試験の合格率は年度によって多少のバラツキがあり、例えば平成17年度は91.6%、平成22年度は71.1%と、試験の難易度の変化に合わせて合格率も左右されているようですが、平成25年度は合格率86.6%、平均すると80%は上回っている計算になります。
合格率が約80%と高めですか・・・

合格率80%以上と聞くとそれ程難易度は高くないように思われるかもしれませんが、この数字はそもそも合格する可能性のある実力の持ち主たちの中の80%ということ。
作業療法士になるにはまず作業療法士養成学校を卒業しなければなりませんが、合格する見込みのない生徒に対しては受験資格を与えない学校もあるようですので、この「合格率80%以上」という数字に惑わされないようにしましょう。
現在作業療法士の資格保有者は3万9000人以上とされています。
看護師が取得する将来性とメリット

高齢化社会が進む中、リハビリテーション職である作業療法士は将来的にもまだまだ需要が伸び、それは年収にも反映されるのではと期待する人もいるかもしれませんが、こと医療・介護職に関しては、「需要が高い=給料が高い」と簡単には言えません。
というのも医療や介護従事者の財源は国であり、その税金は既に枯渇しているため、国としてはできるだけ医療・介護への供給を減らしたいと考えているからです。
その上作業療法士が活躍できる病院は減りつつあること、加えて引退する人が少ないことから就職難も叫ばれています。
複雑化する社会において有用な働き手となる

しかし一方で、日常動作に対するアプローチだけでなく心理面に対するアプローチも行える作業療法士は、今後ますます複雑化する社会において有用な働き手となり得るとも考えられます。
既に確立されている作業療法をしっかり行うと共に、新しい領域を切り開いていくことができれば、非常に将来性の高い職種になるでしょう。


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