児童福祉士へ看護師資格でキャリアアップ

難易度:★★★★☆
詳細:日本人事試験研究センター
試験料等:なし
受験期間:年度によって異なる
保有者数:2,771人
合格率等:24.3%
児童福祉司とは児童福祉法第11条の規定に基づき、児童相談所に配置が義務付けられている職員で、全国の都道府県と政令指定都市約200箇所にある児童相談所がその職場となります。
児童相談所に訪れる相談者が援助の対象となるため、少年少女や乳幼児のような子供だけでなくその保護者の抱える問題をも扱い、解決に導くことが求められます。

具体的には、保護者の場合病気や家出、離婚、虐待などで子供の養育が困難あるいは不可能であるといったことが多く、また児童の場合障害やシンナー吸引、放火、不登校、盗みなど多岐にわたる相談が寄せられます。
児童福祉司はこれらに対し調査をした後、医師や児童心理司などの専門家の協力を得ながら適切な対策を立て解決へと導かなければなりません。
このため社会学や心理学などの専門知識や、様々なタイプの人とコミュニケーションがとれる社会経験、幅広い教養が求められることになります。
受験資格と資格取得方法

【受験資格の条件】
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児童福祉士になるための試験はなく、該当者になるかどうか
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指定の児童福祉士養成学校を卒業、または指定の講習会を修了、または医師や精神保健福祉士、社会福祉士の資格を保有していること
さらに、大学で心理学や教育学、社会学に相当する課程を修了してから指定の施設で1年の実務経験を積んでいる場合も有効 -
保健師や助産師、看護師、保育士、教員のほか指定科目の3科目以上を学んで大学卒業に至り、社会福祉主事として児童福祉の仕事に2年以上かかわった人もまた、任用資格要件に該当する

児童福祉司それ自体に「児童福祉司認定試験」というものは存在しませんが、その職場が行政機関となるため、まずは地方公務員にならなければなりません。
地方公務員試験は「公開平等の試験」が原則で専ら能力のみで合否を決めることが定められている為、「受験資格」と言えるものは年齢のみです。地方公務員試験の受験年齢は各自治体と職種によって異なるため、確認しておきましょう。
地方公務員試験に合格が必要?

地方公務員試験に合格し晴れて公務員として働くことが認められれば、児童相談所に配属してもらい、児童福祉司としての任用資格を申請できます。
ただし、任用資格の申請にあたっては、大学で心理学や教育学などを専攻し修了していること、あるいは厚生労働大臣の指定する児童福祉司養成学校や講習過程を修了していること、医師免許や社会福祉士の資格を取得していること、社会福祉主事として児童福祉の仕事に2年以上従事していることのいずれかに該当していなければなりません。
また、保健師、助産師、看護師であれば指定科目の3科目以上を学んで大学卒業に至り、社会福祉主事として児童福祉の仕事に2年以上かかわった人も任用資格要件に該当します。
資格取得先と保有者数と難易度

児童福祉士の職場は行政機関の1つであるため、児童福祉司も地方公務員ということになります。つまり公務員試験に合格し、かつ医師や社会福祉士の資格保有者であること、あるいは大学で心理学や教育学などを修了していること等幾つかのルートを経て児童相談所に配属された場合に、任用資格を得て晴れて「児童福祉司」と名乗ることができます。
任用資格とは

任用資格とは特定の職業に就いて初めて効力を発揮する資格のことで、実際に児童相談所に勤めていなければ児童福祉司ということにはなりません。
このため児童福祉士の資格取得先というのはあえて言えば厚生労働省であり、その難易度は該当する地方公務員試験の難易度及び例えば「社会福祉士国家試験の難易度」など、それぞれが選ぶルートの難易度ということになります。
また、その資格保有者数は、「現在全国に約200ヶ所ある児童相談所で児童福祉司として働いている人の総合計」ということになります。
看護師を取得する将来性とメリット

児童福祉司は今のところ任用資格であり児童相談所に勤めている場合にのみ名乗ることのできる資格ですが、その将来性を考えると今後ますます活躍が期待される分野であると言えます。というのも、少子化が叫ばれているにもかかわらず児童相談所への相談件数は伸びる一方で、複雑化する社会で子育てをする厳しさは児童の数をしのぐ勢いだからです。
看護師は児童福祉司としても、やっていける?

児童福祉司には相談者やその家族のプライベートで非常にデリケートな問題にも関与しなければならず、最初から心を開いて援助を受け入れようという姿勢を見せてくれない人も多いですから、まずは相手を安心させ少しずつ心を開いてくれるような人柄やテクニック、辛抱強さや感情移入などが求められます。
この点看護師の場合はそれらの能力を既に病院内で身につけている場合が多いので、児童福祉司としても十分やっていける可能性が高いでしょう。


看護師として資格を取得し、キャリアアップしたい場合は、資格を取れる環境と努力が必要不可欠です。
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