性暴力被害者支援看護職(SANE)養成講座の3つのポイント

難易度:★★☆☆☆
受講料:5,000円前後
受験期間:毎年7月からスタート
保有者数:約330名
合格率等:100%
性暴力被害者支援看護職とは、アメリカで1976年に始まり、全米やカナダで広がった専門職です。性暴力被害にあった方の心や体のケアをすることを目的としてつくられました。性暴力被害によって生じた心身へのダメージを緩和・軽減するために適切な対応ができる資格です。
【目次】

日本では、公的に認められている資格ではありませんが、DVや虐待における性暴力など身近に起こりうる事案は増える一途にあります。カナダで実施されているプログラムを日本でも広く普及させる狙いがあります。適切な知識を得ることで、女性の地位向上や社会復帰・家庭復帰などを患者さまと一緒に目指すことができるようになります。また、医療現場での無配慮などから来る二次被害を防ぐこともできます。
1.SANE資格取得方法

「資格取得の条件」
- 看護師、助産師、保健師の資格を有していること
- 女性であること
- 指定された40時間の講義に参加すること
性暴力被害者支援看護職の資格取得方法は、1年間で全40時間の講座に参加することが条件となります。試験はなく、この講座の全課程を受講し修了することで「性暴力被害者支援看護職養成講座修了生」として活動をすることができます。養成講座は、東京近郊の任意の場所で集中的に行われています。土日に集中的に講義が開催されますので、仕事のやりくりが必要となります。
この養成講座を受講する際には、看護師・助産師・保健師資格を有する女性であることが定められています。この条件さえクリアできれば受講修了時に資格を得ることができます。受講のための費用・金額に関してはつまびらかにされていませんが、北米で位置付けられている「法看護師」養成のためのプログラムであることを念頭に入れておくとよいでしょう。
2.SANEの認定先と保有者数と難易度

性暴力被害者支援看護職の認定先は、特定非営利活動法人「女性の安全と健康のための支援教育センター」が行っています。取得先のこのセンターは様々な支援教育を行っています。日本で実施されている性暴力被害者支援看護職資格の唯一の認定団体です。
2000年6月に養成講座を開講してから、2014年の春までに330名ほどの保有者数を誇っています。
養成講座を受講し、スキルが認められることで修了認定を受けることができます。公的資格・認定資格などではありませんが、知識を持った看護職であることを証明することができます。難易度は高くありませんが、1年間に40時間の講座を受けることが義務付けられていますので仕事と受講の両立が求められます。
3.SANEの資格を取得する将来性

看護師が性暴力被害者支援看護職の資格を取得することで、終息を見せることがなく、増加の一途をたどる性暴力被害にあった女性の権利を守ることができます。また、心や体に受けたダメージをケアできる知識も得られますので、より親身に看護ができることでしょう。
被害に遭った方の話に耳と心を傾けること、法律の話や、性暴力にまつわる様々な治療の話などもできるようになります。病院でこの認定を受けている看護師は特殊なケースだと言えますが、児童相談所や自治体で設置されているシェルターなどで活躍することもできます。
まだまだ認定を受けた修了生が少ないため、将来性が認められる資格です。看護師・助産師・保健師資格を有する女性が取得できる資格ですので、病院としてのサービスの幅を広げたり、自治体などへの派遣業務などを受けることもできるようになるでしょう。


看護師として資格を取得し、キャリアアップしたい場合は、資格を取れる環境と努力が必要不可欠です。
資格取得を推進している病院では、看護師のキャリアアップ体制が整っているケースが多く、転職を考える看護師も増えています。看護師の転職は「看護師求人サイト口コミランキング」で確認してみてください。
