がん化学療法看護認定看護師になるには

資格保持者 | 合格率 | 難易度 |
1,005名 | 90%以上 | ★★★★★ |

1990年代に様々な抗がん剤が開発されたことによってがんの治癒率や生存機関の延長が可能になったとはいえ、まだ治療法が確立されたわけではなくその方法も難解であるためにインフォームド・コンセントにおいて専門知識を持つ看護師が必要であること、また副作用対策に看護師が介入しなければならないことなどといった理由から、1998年に認定看護師の1分野として特定されたのが、「がん化学療法看護認定看護師」です。がん化学療法看護認定看護師には、がん化学療法が治療選択肢の1つとなった時点からその治療期、その後の経過観察期に至るまで患者とその家族をサポートする役割があります。
「資格取得の条件パンダ!」
- 日本の看護師免許を持っていること
- 免許取得後、実務5年以上、認定分野3年以上であること
-
認定看護師教育機関(課程)修了していること
(6ヶ月615時間以上) - 教育期間は6ヶ月以上、昼間に連続した教育であること
がん化学療法看護認定看護師になるには認定看護師教育機関に入学し、カリキュラムを修了・卒業する必要があり、この難易度は非常に高いものとなっていますが、無事に卒業し認定試験を受けた人の90%以上が合格しているようです。
がん化学療法看護認定看護師に求められる看護師スキル

がん化学療法はその種類が多岐にわたり、かつそれらを併用した治療法が取られることが多い為、がん化学療法看護認定看護師には薬物や治療法、副作用に関する専門的な看護師スキルが求められることになります。特に薬剤投与に関連したミスは命の危険さえありますから、投与管理におけるがん化学療法看護認定看護師の責任は非常に重大と言えるでしょう。
また、がん化学療法には副作用が伴う為、患者の症状をマネジメントし、患者や家族がセルフケアを行えるよう指導・援助する能力も求められます。
更に、がん化学療法においては医師や看護師だけでなく、薬剤師や栄養士、社会福祉士などの他職種がチーム医療として協働することで効果的で安全な治療が可能になるため、がん化学療法看護認定看護師には、その中においてチームの調整役として働くマネジメント能力やコミュニケーション能力も必要になるでしょう。
がん化学療法看護認定看護師の活躍できる職場

日本における死亡率のトップは相変わらずがん、具体的には年間30万人以上ががんによって死亡しています。
更に今後高齢化が進むとますますがん患者が増えると予測されるのですが、一方で診療報酬制度の改定により治療の場が病棟から外来へと移行し、患者や家族自身が自宅でセルフケアをしなければならなくなっています。これらのことから、外来患者への対応・セルフケアの指導も含めてその分野のスペシャリストとして働くことのできるがん化学療看護法認定看護師のニーズは引き続き高まっていくことでしょう。
がん化学療法看護認定看護師が活躍できる主な職場は、がん診療連携拠点病院の外来化学療法室、血液内科病棟、がん化学療法や放射線化学療法患者の多い病棟などで、その他に救急センターや特定機能病院に勤務する認定看護師もいるようです。
■認定看護師取得にかかる費用
認定看護師取得にかかる費用一覧です。
項目 | 金額 |
入試試験料 | 約5万円 |
入学金 | 約5万円 |
授業料 | 約70万円 |
実習費 | 約10万円 |
認定審査費用 | 約5万円 |
認定費用 | 約5万円 |
合計 | 100万円 |
このように資格取得費用がかなり高額でかかります。そのため、認定看護師資格取得を支援している(金額を負担している)病院があります。

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