緩和ケア認定看護師になるには

資格保持者 | 合格率 | 難易度 |
1,295名 | 90%以上 | ★★★★★ |

「緩和ケア」とは生命の危険がある疾患によって引き起こされる身体的・心理的・社会的な問題を早期に判断し予防することで患者と家族のQOLを向上させるもの。この分野でより高度かつ専門的なケアができる看護師が、緩和ケア認定看護師です。また他の看護スタッフへの指導や相談を通して緩和ケアの質の向上に寄与することも大切な役割の1つとなります。
「資格取得の条件パンダ!」
- 日本の看護師免許を持っていること
- 免許取得後、実務5年以上、認定分野3年以上であること
-
認定看護師教育機関(課程)修了していること
(6ヶ月615時間以上) - 教育期間は6ヶ月以上、昼間に連続した教育であること
この緩和ケアは、眼精疼痛看護やがん化学療法看護と同時期の1998年に認定看護分野として特定され、現在では1200人以上が資格を有しています。緩和ケア認定看護師の認定審査それ自体は90%以上の合格率を誇りますが、これは認定看護師教育機関に入学しカリキュラムを修了、卒業した人による数値であるため、受験資格を得るまでの難易度を考えると決して簡単なものとは言えないでしょう。
緩和ケア認定看護師に求められる看護師スキル

緩和ケア認定看護師の目標は、患者の抱える疾患からくる身体的・心理的・社会的問題を予防、緩和させることでQOLを向上させこと。そのためには病期の進行によって患者の経験する喪失感・悲嘆を受け止め支えるグリーフケア能力や、残された家族への精神的ケア能力、また痛みや嘔吐、呼吸困難などの身体的苦痛を緩和する知識や技術も求められることになるでしょう。
また緩和ケアには告知の有無や治療の中止、最期の迎え方など難しい問題が含まれるため、正しい倫理観のもとに判断する能力や治療・看護において倫理的問題が潜んでいないかを見極める能力なども、緩和ケア認定看護師として必要な看護師スキルとなります。
更には、チーム医療の要として他職種の医療関係者との連携を図り、スムーズかつ効果的な医療が施されるようにサポートするマネジメント能力やコミュニケーション能力も必要になるでしょう。
緩和ケア認定看護師の活躍できる職場

医療が進歩した現代でも、がんを代表として痛みや苦痛を伴う難病を抱える患者の数は増加傾向にあるのが現状です。
そのような中で患者や家族が最期まで自分らしく生きられるようサポートすることはこれまでにも増して強く求められるようになっており、がん診療連携拠点病院を中心に、緩和ケアチーム内に専門知識と技術を持つ認定看護師を配置するよう義務付ける動きが見られるようになりました。このような背景から、今後も緩和ケア認定看護師が活躍できる職場は増加すると考えられます。
例えば病床数の多い病院の病棟や特定機能病院、がん診療連携拠点病院、がんセンター、大学病院や総合病院などでも緩和ケアチームが設置されていることが多い為、緩和ケア認定看護師の資格を持っていれば職場探しに苦労することはないでしょう。また最期を自宅で迎えたいというケースも多い為、在宅看護の分野でも求められる可能性があります。
■認定看護師取得にかかる費用
認定看護師取得にかかる費用一覧です。
項目 | 金額 |
入試試験料 | 約5万円 |
入学金 | 約5万円 |
授業料 | 約70万円 |
実習費 | 約10万円 |
認定審査費用 | 約5万円 |
認定費用 | 約5万円 |
合計 | 100万円 |
このように資格取得費用がかなり高額でかかります。そのため、認定看護師資格取得を支援している(金額を負担している)病院があります。

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