看護学校を卒業して20歳から8年間、前の病院で働きました。
20代後半になると、それまで働いていた仲間が結婚や出産を迎えることが多くなり、自分のことも見つめ直す機会が増えました。それまではがむしゃらに仕事をしていましたが、ふと考えてみた時に「学生時代に考えていた看護ができているのだろうか」という気持ちが強くなりました。
女性の27歳~28歳頃で結婚していない方は分かると思いますが、自分の仕事とプライベートを見つめ直すときが多々ありますよね。そんな私の職場にも転機が訪れました。
■病院の黒字化計画
私が働いている病院は市立病院なのですが、2年前に病院の黒字化計画が持ち上がり、それを実現するために看護師の数を減らすことが決まりました。今までも看護師不足と言うのに、さらに削減って本気で大丈夫かと思ったぐらいです。決まってから1年間の間で徐々に人員を減らして、病院の財政は黒字化を実現しました。しかし、当たり前のことですが、現場に残って看護師にしわ寄せがいったのです。行わなければならない業務はあまり変わらない、更に患者の人数も変わらない。そしてそれを今までより少ない人数でこなすのですから、当たり前です。結果として患者さんとゆっくり関わる時間を減らして、処置など医療的なことをこなすようになりました。
私は後輩達をまとめる立場にもあったので、病院の方針で頑張ろうと思っていました。そして周りからの不満を聞き、それでも一緒にやっていこうという方向で話をしていました。この頃になって、虚しくなってきたのです。
■自分と病院との看護観の違い
一緒に働いている仲間は疲れてきている、患者さんからは「看護師さんともっとゆっくり話したい」「ナースコールを押してから来るまでが遅い」などの不満が聞かれる状況で、何とか自分が改善できるようにと思っていました。
その気持ちの糸が切れたようになり、転職を考えるようになりました。
仕事をしながらの転職活動だったので、看護師求人サイトに登録をして、自分の希望する求人を探しました。
私の条件としては正社員であること、お給料が今のところからがたんと下がらないこと、そして一番の希望が看護師がたくさんいてゆっくりと患者さんと関われることでした。
そして手厚いケアを目指している総合病院を見つけて、転職しました。
看護師の人員を確保することが患者さんの幸せと考えている病院を見つけ、そこで働くことになりました。
今までのように時間に追われるだけでなく、患者さんと向き合い看護できることに幸せを感じています。
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