
へき地医療とは、へき地で行われる医療のことを指します。
そのへき地医療を支えているのが「へき地診療所」や「へき地病院」であり、そこでは、看護師が重要な役割を担っています。
もともと人の役に立ちたいと考える傾向にあるのが看護師といえますが、中にはそのような医療を本当に必要としているところで働いて地域に貢献したいと看護師としての使命感に燃えている人もたくさんいます。
このページでは、へき地医療の実態と、地医療の看護師に求められる役割とメリット・デメリットをご紹介していきます。
1.へき地医療の実態について

へき地と呼ばれる地域の診療所は、2013年の調査によれば全国に1038施設あり、常勤医師がいるのはその半数で、非常勤医師すらいない施設も10か所あるというデータがあります。
さらにもっと奥地などに行けばまったくの無医村地区もたくさんあるのが現状です。
設備が整っておらず施せる医療に限界がある

へき地での医療は、設備が整っていないことからできることには限界がありますが、ヘリコプターを使って患者さんを都心の病院に移動して治療することも十分に可能です。
スタッフが少ないことから一人の看護師にかかる責任は大きいものの医師の指示を仰ぐことはもちろんできるなど、すべてを抱え込まなければならないということはありません。
看護師1人1人が全てのことに対応できなければならない

ある程度の規模の病院で勤務するように看護師長や看護主任に頼ることも看護師同士が助け合うこともできないので、1人ですべてのことに適切な判断をして対応していく力量が必要となってきます。
専門的なことを突き詰めて極めるといったことはできませんが、オールマイティーに何でこなせるようになることは期待できるでしょう。
2.へき地医療において看護師が求められる役割

へき地と呼ばれる地方に行くと、医師が一人もいない無医村の状態にあるエリアも少なくありません。
このような状況の中、医師とともに看護師の果たす役割は非常に大きなものだといえるでしょう。
へき地においても、都心同様に医療を必要としている住民の皆さんは数多くいるのが現状で、ますます高齢化が進んでいる現在では、その重要度はまた年々高まっているといえるのです。
赤ちゃんからお年寄りまで幅広く対応する

へき地の診療所には最新の医療設備が整っていることは非常に稀なことなので、看護師には専門的な医療技術を持っていることよりもオールマイティーに何でもこなせる能力が備わっていることが求められています。
患者さんは赤ちゃんからお年寄りまで幅広く、さまざまな症例や、それぞれの病期に対する処置など、幅広い知識と経験が必要とされているのです。
閉鎖的な環境にも溶け込み、住民の健康をサポートする

場合によっては閉鎖的な面も持ち合わせているへき地というエリアで、そこに暮らす人々と良好な人間関係を築きながら看護師として健康状態をサポートするということは、優れたコミュニケーション能力を持っていることも求められます。
中には特に具合が悪くなくても日常会話をするためだけに診療所を訪れる住民も多いので、ご近所さんのような感覚で溶け込んでいくことも必要となるでしょう。
3.へき地医療に携わる看護師のメリットとは

看護師としてへき地で働くということは、スタッフが少ない分、責任が大きいのでそれだけやりがいも大きく充実感を得られるでしょう。
働く上でやりがいを感じられるのは何よりのメリットです。
都心ではできない経験を通し、看護師としての自信がつく

へき地医療の現場では、都心の大きな病院では経験できないような場面をいくつも体験することで、看護師としての自信がついていくこともまたメリットに違いありません。
へき地となると病院がないところがほとんどなので入院設備もなく、在宅医療となる患者さんには診療所の医師とともに往診を行うことになります。地域の住民の皆さんに溶け込んで人間関係を良好に保つことがとても大切になるので、コミュニケーション能力も次第に付いてくるでしょう。
アセスメント能力・判断力・決断力が磨かれる

何もかもを自分一人でこなさなければならないという状況では、アセスメント能力や判断力、決断力もどんどん磨かれていくことになるはずです。
その後に再び都心の病院に戻ることがあっても、へき地医療で培ったこれらの能力は大いに役立つに違いありません。
4.へき地医療に携わる看護師のデメリット

看護師にとって、責任感や判断力が付くことがメリットといえるへき地医療ですが、その反面、へき地医療ならではのデメリットも存在します。
これらのメリット・デメリットを両方踏まえた上で、自分がへき地医療に向いているのかどうか、判断していくようにしましょう。
人員不足により過酷労働となる可能性もある

そのエリアに医師が一人に看護師も一人ということも珍しくなく、代わりの人員がいないことから365日24時間呼び出される可能性があることも認識しておかなければならず、時には過酷な労働が続くこともあるでしょう。
都心から来た看護師は、よそ者扱いされる可能性がある

へき地の特徴として閉鎖的な面を持つところも多く、時には医療従事者であってもよそ者扱いされることあるので、良好な人間関係を構築するのにストレスがかかることもあります。
また、へき地の診療所は常に人材不足ともいえますが求人自体も少ないため、条件の良いところはなかなか空きは出ないことになります。
へき地医療に携わるのは独身の看護師にしか出来ないことです。家族がいたり子育て中の場合には、都心の病院を選んだ方が家族の負担が軽減されます。
まとめ

いくら「へき地」だとは言っても、日本とは比べ物にならないくらい医療が進んでいない海外で働いている看護師も大勢いることを考えると、日本のへき地での勤務はそれほど困難を伴うものではないといえるかもしれません。
ただし、本文でも述べた通り、へき地医療に携わる看護師であれば、絶対的に「オールマイティな対応力」は必要です。
そこに自信があるのであれば、看護師として新たな境地を開拓できるであろう「へき地医療」への転身は、必ず貴重な経験となるでしょう。


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