
看護師の転職のきっかけの1つに「引き抜き」があります。
引き抜きの声がかかるのは看護師としての能力が認められた1つの証でもありますので、声がかかった方は当然嬉しいものです。
場合によってはかなり好条件を提示されることもありますが、だからと言って簡単に決めていいものでもありません。ここでは、そんな看護師の引き抜きの実態や注意点について詳しく説明していきます。
1.看護師の引き抜きとは

「引き抜き」-つまりヘッドハンティングと聞くと、一流企業や外資系企業の優秀な社員の間で起こることで、看護師の世界ではあまり関係のない話のように感じるかもしれませんが、実際には優秀な看護師であれば医師のヘッドハンティング同様に少なからず行われています。
引き抜きやヘッドハンティングなどと言うとやや聞こえが悪くなりますが、つまりは「うちで働かないか」とのオファーが入ったりスカウトされたりするということです。
看護師のヘッドハンティング元は?

看護師のヘッドハンティング元は、別の病院であったり看護師専門学校や看護大学であったり、訪問看護、更には稀とは言え医療機器メーカーや製薬会社などの他分野から声がかかることもあります。
別の病院からの引き抜きとしては、病院同士横のつながりで情報交換などをしている時に「是非に」と言われる場合もありますし、卒業した大学の付属病院で働いてくれないかとオファーがかかることもあります。
同僚だった医者の独立の際に声をかけられることも
実際にはあまり良くないことなのかもしれませんが、雇われ医師として働いていた医者が独立する際に、同じ病院で働いていた看護師をスカウトして連れて行くというパ ターンもあります。
看護学校から「講師として働かないか」
専門学校や看護大学からの引き抜きとは、卒業して臨床で働いていた卒業生に対して「講師として働かないか」と声をかけることで、これも教員不足の看護系学校では 珍しくないことです。
ただ、講師として働くためには教員としての法的資格が必要になる場合が多いので、スカウトされたからと言ってすぐに講師として働けるわけではないと覚えておきましょう。
2.看護師の引き抜きの実際

「長く続く看護師不足の現状故に、病院同士で頻繁に看護師の引き抜きが行われている」という意見もあれば、「看護師の引き抜きなんでまずない、少なくとも自分の周りでは聞いたことがない」という意見もありますが、実際のところはどうなのでしょうか。
引き抜きのケースはそれほど多くない

まず基本的に、多くの病院では前述の意見の通り看護師不足故に働いてくれる看護師がのどから手が出るほど欲しい!という状態が続いています。
新卒看護師が入ってこない、あるいは新卒よりも既に経験を持つ即戦力となる看護師が欲しい場合には、正直「ウチに転職してきてくれないかな~」と願う病院経営者もいることでしょう。
しかし、実際に他の病院からヘッドハンティングするというケースはそれ程多くはありません。
理由は好条件が求められるから
看護師を欲しいとは思っても、引き抜きとなるとその看護師にとって転職が明らかに現状より有利になることを提示しなければならず、つまりは高給その他の好条件が求めら れることになるからです。
能力の高いベテラン看護師であれば好条件の引き抜き話も

逆に言うと、「どのような好条件を提示してでも欲しい!」と思わせるような能力の高いベテラン看護師であれば引き抜きの話も出てくるわけです。例えば何かの分野で突
出している看護師や医療関係の雑誌に出向している、あるいは定期的に講演を行っている看護師の場合、それが経営者の目に留まりスカウトされる場合があります。
3.引き抜きの話が来た時に注意するポイント

引き抜きの場合は大抵現在の職場より良い条件を提示してきますから、高収入や充実した福利厚生などに思わず飛びつきたくなってしまうかもしれません。
しかし引き抜きで転職したものの、「結果的には前の職場に残っていた方が良かった・・・」という事例も少なからずありますから、引き抜きの話が合った場合でもまずは一呼吸置いて、よく考えなければなりません。
新しい病院は経営が安定するか分からない

先ほども少し紹介させていただきましたが、引き抜きのよくあるパターンとして同じ職場で働いていた医師が独立する際に「一緒に来ないか」と看護師をスカウトするというものがあります。
これは逆に考えるとまだそのクリニックは開業間もないということで、安定した経営軌道に乗るかどうかはまだ分からないわけです。
そのため提示された通りの給料がずっと支払われ続けるのか、予定通りのシフトで仕事をこなせるのかなどは全て不確実だということを念頭に検討するべきでしょう。
4.看護師が引き抜きで転職した後の失敗体験談

好条件のみが強調されることの多い看護師の引き抜きですが、実際には「失敗だった・・!」という声を聞くことがあります。
ここではその代表例となるある看護師の体験談をご紹介します。引き抜きの声がかかり、現在転職を検討中の方は参考にしてください。
「優秀な看護師を探している、助けてくれないか」と声がかかる

卒業後中堅の総合病院で8年間働き、看護師として成長することができました。そんな中、入職当時からお世話になっていたドクターの1人が、とうとう独立することになっ
たんです。そして開業するにあたって、私に「優秀な看護師を探している、助けてくれないか」と声をかけてくださったんです。
驚きましたが、以前から医師として尊敬していた方で医療観も私の看護観とマッチしていましたし、何よりもお給料が今よりずっと良くなるとのこと。
実は前職の病院の唯一の不満点は「給料が上がらない」ということだったため、思い切って転職を決意、開業についていくことに決めたんです。
転職支援コンサルタントとの方針が合わない
新しい転職先は、最初のうちはやりがいもあり高収入で非常に満足のいくものでした。しかし転職後になってから知ったことなんですが、ドクターは開業を支援コンサルタン トに依頼していたんです。
ドクターの病院運営方針は私に話してくださった通り私の看護観とマッチするものだったのですが、間に立つ転職支援コンサルタントさんの方針は全く 違いました。
看護師としての誇りがなくなっていくように感じる
支援コンサルタントからは、最初に聞いていた話とは違うことを言われることが多くなり、段々私の看護観との相違がひどくなっていくのを感じ始めました。
ドクターに話し ても彼にもどうすることもできないことらしく、給料は上がったものの看護師として誇りにしているものがどんどんなくなっていくように感じました。
このままで本当に良いのか、今現在も再転職を考え中です。
まとめ

看護師の引き抜き転職の最大のメリットは、好条件での転職が可能なことです。相手側としては、あなたに何としても働いてもらいたいわけですから転職の際に好条件の待遇を交渉することもできるわけです。
デメリットとしては、プレッシャーが負担になる点が挙げられます。また、本文でも紹介したように「実際に蓋を開けてみると思っていた環境とは違った」ということもあります。そのため、もし引き抜きの声がかかった際には、メリット・デメリットも考慮し慎重に検討をした上でそれでも「行きたい!」と思ったのであれば、実際に行動にうつすことをオススメします。


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