
看護師2年目から5年目は全体で見ても、最も転職をする人が多い年代です。
看護師1人あたりの平均転職回数は「3回」だと言われていますが、その最初の1回目がおそらくこの年代になるのでしょう。
看護師2~5年目は、その1年ごとの変化が一番大きい年代でもあり、それぞれの年代によって異なる「転職理由」や「転職注意点」があるのです。
ここでは、2年目・3年目・4年目・5年目の各年代に焦点をあてて、それぞれの退職理由や転職成功のポイントについてお伝えしていきます。
【目次】
1.看護師2年目の「辞めたい理由」とは

看護師経験はほぼないとみなされる早い時期に転職する看護師の転職理由として目立つのは、結婚や転居によるやむをえない転職です。
基本的にはもう少し経験を積みたいと考える人が多いのでしょう。
また、他にも以下のような不安で転職を考える人がいます。
「もう一度一からやり直したい」が辞めたい理由

特に周りが仕事にどんどん慣れていく中で、2年目になっても自分だけ失敗が多く、自分だけ遅れているように感じると、ストレスが溜まっていってしまうことがあります。
そのような不安の中で、後輩からの質問に答えなければならなかったり、後輩と比較されたりする2年目。
質問もし辛く、同期からも外れていってしまうと、もう一度、一からやり直したいと思うのです。
実際に看護師として働いた現実に失望して辞めたい

実際に1年以上勤務してわかった現実に失望してしまうこともあります。
想像もしていなかったようなハードな業務や理想との違い、人間関係の厳しさなどによって心身ともに疲れきってしまうのです。
ストレスや、忙しさによる不眠が体調の不調に現れてしまい、勤務に支障が出てしまうこともあります。
「自分のやりたいこととは違った」が辞めたい理由

実際に働いてみて、自分のやりたいこととは違うと気づいたり、自分のやりたいことが何か明確になり、早くそのための経験を積んだり、目標に近づく職場に転職したいと考えるケースもあります。
また学生時代の友人などと集まった際に自分の状況の過酷さを感じ、ほかの職場に転職しようと考えることもあるでしょう。
2.看護師2年目の転職を成功させるポイント

2年目での転職は1年間の経験があるとしても、ほぼ新卒と同じように扱われることになります。
ですから通常、それほどの看護経験は期待されないでしょう。
むしろ期待されるのは新卒と同じような柔軟性や可能性、意欲です。
そして社会人としてのマナーが身についていることや、前の職場で新人研修などをきちんと受けてきたことは、新卒とは違う点で、評価されますから、しっかりその点をアピールしていきましょう。
「長く働くつもりだ」という意思を分かってもらうこと

2年目の看護師の転職において大事なのは、「今度こそ長く働くつもりだ」という意思をわかってもらうことです。そのためには前職の退職理由とそこから学んだことを考えることは重要です。
前職の退職理由がどこの職場でも起こりがちな問題、例えば人間関係の問題だったりした場合、採用者側は、また辞める可能性の高い看護師だと考えてしまいます。
その場合、今後その問題にどのように対処していくつもりかをあらかじめ自分の中で考えておくことはとても重要です。
▲なぜその職場で働きたいのか
またこれからの仕事に対する意欲を明確にしておきましょう。「なぜその職場で、もう一度看護師として働きたいのか」これをきちんと説明することができるなら、意欲が伝わりやすくなります。
退職時期は4月を目途に転職しよう

場合によっては前職の働き振りなどを確認されることもあります。
ですから退職の際にできるだけ迷惑がかからないようにすることは大切です。退職時期に関しては、長期休みの前後や新人の入ってくる4月、人事の動きがある時期は避けるようにするのが良いでしょう。
3.看護師3年目の「辞めたい理由」とは

3年目の看護師は、業務にも慣れ始め、ある程度の仕事を覚えて、やっと普通に仕事ができるようになる頃です。
この頃になると、看護師という仕事がわかってきて、これから今の職場でやっていけるのかという不安や自分のしたいことなどを踏まえ、目標を少しずつ考えるようになってきます。
いままで様子を見ていたことへの「正直な感想」が出てくる頃ともいえるかも知れません。それでは、3年目ならではの転職理由について見ていきましょう。
人間関係の問題が辞めたい理由

3年目の看護師の転職理由として多いのが、人間関係によるものです。新人時代を経験し、後輩が入ってきて少しずつ周りからの扱いの変化を見ていくことになります。
そのような変化の中で、いつか良くなると思っていた状況が変わらなかったり、さらにひどくなっていったりするのを経験してしまうと、もうこれ以上は耐えられないと考えてしまうのも無理はありません。
3年たったので転職を考える時期に

3年目の転職は、今後のキャリアを考えても、それほど不利にはなりませんし、きちんとした理由を示せれば、転職先も比較的見つかりやすい時期です。
それで、今まで耐えてきた看護師が転職をしようと決意する時期にもなっています。
看護師として進みたい方向が見えたため退職

看護師として進みたい方向が見えてくるのが3年目からといわれます。一般的には3年目では、まだ転職には早いと思われがちです。
しかし自分の目標がはっきりしていて、今いる職場がその目標とは違うと感じたり、その目標のためにすべきことがわかっている場合、そうともいえません。
早く転職して、少しでも早く目標に近づこうと考えるのは間違ったことではありません。
4.看護師3年目の転職を成功させるポイント

一般的に看護経験者として扱われるのは、3年以上臨床経験を積んだ看護師です。求人広告でも多くの場合、3年以上が条件になっています。
それ以下の経験年数では新人看護師として扱われることが多くなります。
まずは、もう1年続けられないか冷静に考えてみよう

自分では2年間でいろいろなことを学んだと満足していても、転職理由がやむをえないものでないと採用者側からは辛抱が足りないと見られてしまうことがあります。
そうすると転職が難しくなってしまうこともあります。やむをえない理由でなければ、まず、転職を決める前にもう1年続けられないか冷静に考えてみてください。
3年目なので退職時期と退職理由に配慮はしておこう

転職を決めた場合には、円満退職となるように、十分に前もってその旨を伝え、退職時期に関しても、できるだけ職場の状況を配慮するようにしてください。
結婚や家族の事情など、やむをえない理由の場合はそのまま伝えても良いですが、人間関係や、職場が合わないなど、消極的な理由で転職を決めた場合、それをそのまま伝えるのではなく、自分の今後の目標・方向性などの積極的な理由を伝えるようにしましょう。
事前にチェックしておきたいのは奨学金などを利用した場合です。学校によって返済条件が異なり、一部では3年以上の勤務で返金額が変わることもあります。辞めてから問題に気づくことがないようにしましょう。
5.看護師4年目の「辞めたい理由」

4年目の看護師の転職理由の特徴は、積極的な理由が比較的多いことです。現在の職場の仕事に慣れて、経験も積み、自信もついてくる頃ですから、自分の看護師としての目標などについて考えることができるようになってきます。
そしてキャリアアップや、スキルアップを考えたり、自分の目指す分野への転職を考える看護師が多くなってくるのです。
ほかへ移ってもいいかもと考える時期

経験的にも丸々3年積んだということで、一つの区切りとなる年数です。
ですから特に職場に強い愛着や、やりがいを感じていなければ、「3年は働いたし、そろそろほかへ移ってもいいかも」と考える看護師もでてきます。
また人間関係や給料などの待遇に満足していなくて、転職を考える場合にも、今の職場を辞めるのに精神的なハードルが低めの年といえるでしょう。
プレッシャーに耐えられないず退職する看護師も増える

4年目の看護師は経験を積み、一人前と見られるようになる頃なので、責任が増えていくことです。基本的な経験は積んだということで、後輩の指導を任せられたり、仕事が増えたりしていきます。
また、その一方で新人とは違う期待をされる分、先輩看護師や上司からの指導が多くなったり、厳しくなったりすることでのプレッシャーに耐えられないと感じる看護師もいます。
体力の限界を感じ退職・転職へ

看護師のハードワークに身体が耐えられなくなり、健康上の理由で転職をする人もいます。
「臨床経験3年以上」という条件を求人条件として出す職場は多いですから、この条件をクリアした4年目に転職を考える看護師は比較的多いといえます。
6.看護師4年目の転職を成功させるポイント

4年目の看護師はある程度の経験を積んだ看護師だとみなされます。
それでいながら、ベテラン看護師と比べると、柔軟性があり、コストも少なくてすむことから、採用側からは魅力的で、採用されやすいといえます。
柔軟性や適応性をアピールすることが大事

ベテラン看護師だとスキルや経験は十分にあります。しかし、その分採用側からは、それまでの職場のやり方が身についてしまっていたり、自分の意見が固まってしまっていて扱いにくいかもしれないなどと、柔軟性や適応性を心配されることもあります。
そのため、特に面接などの場においては、初心にかえり柔軟性や適応性をもって働けることをアピールしていきましょう。
4年目はまだまだ伸びしろがある!
4年目の看護師は1年目や2年目の新人のように研修は必要ありませんが、まだ教えを受ける立場でもあります。ですから新しい職場でのやり方や指導を受け入れられる伸び代があります。
そして給与などもまだそれほど高くなくて済むというメリットもあります。そのような看護師は採用側から求められやすい人材といえます。
自分の経験やスキルに合った転職先を選ぶ

条件などの交渉もある程度聞いてもらえるかもしれません。
しかし、まだベテランでないとはいえ、「経験者」という扱いを転職先では受けることになります。また新人のようなミスも許されません。
転職してから、できる以上の期待をされて苦しむことがないように、自分の経験やスキルに合った転職先を選ぶべきです。
また、経験面で不安がある場合は、何を期待されているのかきちんと事前に確認しましょう。
7.看護師5年目の「辞めたい理由」

看護師5年目というと職場にも十分に慣れていて、人によってはリーダーを任されるような時期になります。
一通りの仕事はできるようになっていますし、先輩からの指導も落ち着いて、人間関係においても信頼関係ができてくる頃でしょう。
一般的には給与も上がっている頃です。5年働けているということは、それなりにその職場に適応し、安定した仕事ができているといえるかもしれません。
給与などの待遇に不満足が辞めたい理由

職場に慣れ、精神的にも体力的にも安定した中で、転職を考える理由の一つとしては、給与などの待遇に満足できていない場合が一つ挙げられます。
ハードな仕事を続けていくためのストレス発散には、それなりのお金が必要です。
また、今後の人生設計や将来を考えていく中で、それなりに貯金なども気になってくる時期でしょう。
周りの看護師の給与が上がっていく中で、自分だけそれほど変わっていないように感じたり、仕事に待遇が見合っていないと感じたりすることがあります。
より学べる職場へ移りたいが退職理由

今の職場で積める経験や得られるスキルの上限が見えてきてしまう場合もあります。
そのような場合に更なる経験を積む機会や、学ぶことがある職場、今とは違う仕事ができる職場を探したいと思うのは、無理のないことです。
リーダー層だからこその人間関係によるストレスで退職

リーダーなどの立場から人間関係の問題点などに気づきながらも、どうしようもできないという現状に耐えられないと感じる看護師も出てきます。
下について見えていたのとは違う角度から見える人間関係の問題は、責任のある立場にいるからこそよりストレスになることもあるのです。
8.看護師5年目の転職を成功させるポイント

5年目の看護師は十分なキャリアがあり、スキルや能力は即戦力として使えるものです。
さらに人によってはリーダーなどの管理職を任せたり、指導を担える人材として、求人においてニーズがあります。まだ比較的柔軟な時期なので、今までの経験を生かしつつ、新しい職場のやり方にもスムーズに慣れていけると期待されます。
実績と柔軟性を備えた5年目は転職の時期としては、とても良いタイミングといえます。
得力のある転職理由と、長く働く意欲の伝わる志望動機が重要

採用側にとって、仕事も安定し、やりがいを感じるこの時期に、何が理由で転職するのかは大きなポイントとなります。
ですから説得力のある転職理由と、長く働く意欲の伝わる志望動機をきちんと示すことができるようにしておくべきです。
今までのやり方に固執しないことも大事

経験があるゆえに、自分の今までしてきた方法に固執するような看護師は採用側からすると使いづらいと感じます。ですから協調性があることも求められます。
転職した後にも、始めは経験を過信せず、先輩スタッフのやり方を尊重しつつ、慣れてきたら自分の経験から意見を伝えるようにしていくことを心がけると良いでしょう。
そうするなら自分も看護師として新しいスキルや考え方を得る機会にもなります。さらに、新しい職場にも受け入れられやすく、信頼される看護師としてスムーズになじんでいくことができます。
まとめ

看護師2年目と5年目とでは、同じ「若い世代」であるにも関わらず、退職する背景や転職注意点が全く異なることが分かりました。それだけ、この時期は1年1年が非常に大切な時期だと言えるのです。
だからこそ、「転職」も絶対に成功させたいものです。自身が置かれている状況を冷静にみかえし、ぜひ転職を成功させる判断材料にしてみてください。


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