
看護研究をやりたくないと感じている看護師はとても多いです。中には、看護研究ばかりをやらされるため、看護研究のない病院へ転職を考える看護師もいます。どうしてそんなにも看護研究をやりたくないのでしょうか。
ここでは、看護師の看護研究のストレスにスポットを当てて、現状をお伝えしていきます。
1.看護研究は手間がかかり負担が大きい

看護研究はとにかく手間がかかります。もちろん、これが現場の看護に役立てばいいのですが、多くの場合あまり普段の看護の現場では役立たないことも多く、「何のためにやっているんだろう?」と疑問さえ感じるそうです。
看護研究計画の時点でつまずく看護師も多い

看護研究はまず、看護研究計画をつくるところから入ります。研究テーマを決めて、仮説を論じ、その研究がどんな場面で役立つのかなど、とにかく細かく計画を決めてから取り掛かるケースが多く、ここからしてつまずく看護師も多いです。
計画を立てたら、実際に研究に入ります。結果を得られたら、今度はその研究のはじまりから終わりまでを、論文にまとめます。普段の仕事をしながら行うので、本当に骨折りの作業と言えるでしょう。
研究費用が自己負担というケースもある

看護研究では、あらゆる文献を参照して論文をまとめていくケースが多いです。病院によっては、研究費用を負担するところもあるため、すべての病院に当てはまるわけではありませんが、中には、研究費用が自己負担というところもあるといいます。
他にも、研究費用の上限を予め設定して、看護研究計画の段階で研究費用予算を提出し、その分だけの費用しか負担してくれない病院もあるようです。
看護研究に利用する専門書は高価なものが多い

看護研究のために参照する文献は、専門書であることがほとんどです。専門書は高価なものも多いですし、ネットで閲覧できるものでも有料とされるものが多く、安価なものでも塵も積もれば山となるで、高い費用を負担している看護師も多いようです。
2.看護研究はプライベートの時間が削られる

看護研究をたまにしか行わない病院ならともかく、度々看護研究をする病院も多いようです。すると、看護研究をしなければいけない看護師の仕事の負担が増え、プライベートの時間さえ費やす看護師も出てきてしまいます。
看護師としての仕事としてはあまり意義を感じないため、看護研究をしたくないと考える看護師が多いようです。
研究会や発表会が休日に行われることもある

研究会や発表会は休日に行われることが多いようです。もちろん、休日手当などがつけばいいのですが、中には休日に研究会や発表会をしたにもかかわらず、無給で行われることもしばしばです。
しかし本来であれば看護研究をしたら、各部署の論文を発表する研究会や発表会が行われることが多いです。もちろん、これは病院の取り組みなので、基本的には業務時間という捉え方が正しいといえます。
サービス残業の中で研究を行う看護師は多い

研究自体もサービス残業のなかで行なっている看護師も多く、不満がたまるのも当然です。それでも病院はこの状況を改善することなく、研究を強いてくるため、「看護研究はやりたくない」と感じる看護師がなかなか減らないようです。
3.看護研究の実践者が得られるメリットが少ない

看護研究をして、ボーナスアップや昇進などにつながればいいのですが、看護研究をしたナースにはなにもメリットが無いケースが多く、恩恵を受けるのは上司のナースだけということも少なくありません。
そのため、看護研究をやる意義を感じられず、「もうやりたくない」と感じてしまうナースが多いようです。
病院側としては格式高さをアピールできるメリットがある

看護研究では、論文を発表したり、最終的に論文発表会などを行ったりする病院も多いです。論文を発表することで、病院としては「きちんとしている」信頼感のあるイメージが得られ、格式高さをアピールできるメリットがあります。
上司が看護研究を支持するのは看護部の評価アップのため

看護研究が現場に活かされていないという現場のナースが多い一方で、看護研究を支持する上司が多いのは、看護部の評価アップに繋がるからです。
この評価は、多くの場合上司が得ることになります。現場は忙しくて大変なのに、たくさんの看護研究をやらされる。しわ寄せを被るのはいつも現場の看護師です。
看護研究は上司のポイント稼ぎ?!

病院のイメージアップに寄与できる看護研究をたくさん行えば、その看護研究を行なった診療科や看護部は、病院に貢献したことになります。これらの診療科や看護部を仕切る管理職ナースにとっては、ポイント稼ぎになるわけです。
中には上司の名前で論文を書かされるケースもある

看護研究ですが、複数名で行うことが多いのが実際のところです。チームで研究し、論文をまとめるのですが、中には上司の名前で論文を提出されるケースもあるといいます。
サービス残業や休日出勤などをして、実際に汗を流したのは自分たちなのに、手柄はすべて上司のもの。そんな状況では、不満やストレスが溜まるのも当然でしょう。
チーム研究では後輩看護師が損することもある

加えて、チームで研究を行っていると、後輩が先輩の変わりに作業をさせられるケースも少なくないといいます。後輩ナースが先輩ナースに刃向かえるはずもなく、仕方なく研究を行っているナースもいるようです。
看護研究は、きちんと行われれば確かにいいことなのかもしれませんが、こういった不平等のもとに研究を行わなければならないとなると、嫌気が差すのも当然といえます。
4.看護研究のほとんどは現場で活用できない

看護師は学者ではなく、大学病院などで学術的に研究をしている看護師でもない限り、現場で活用できるような有意義な研究はほとんど行われていないといいます。そんな活用できない研究を、忙しいなかで続けなければいけないというのは酷なことです。
また、論文を書くと言っても、看護学校で学ぶ中で文章の書き方を学ぶわけでもなく、稚拙な論文が実際は多いといいます。研究のプロではないため、これは当然のことかもしれません。
稚拙な論文を量産して意味があるの?

稚拙な論文を量産したところで、その論文が現場で活かされるのか…と感じているナースも多いといいます。実際、仕事を通して、一人の患者にきちんと対峙しながら毎日を過ごしたほうが、よっぽど看護の質を上げるのにはいいのではないかと考える看護師も多いです。
毎日の業務で感じたことを共有する方が有意義

確かに、机上の空論で語られることよりも、毎日の業務の中で感じたことを共有したりするほうが、有意義かもしれません。論文となると、読み応えのあるもの、名目上有意義なものなど、実際の看護業務には関係なく、体裁を整える必要もでてきます。
そうなると、実際の看護業務には役立たない知識を踏まえなければならならず、体裁を整えるために必要な、現状では不必要な情報も取り込むことになるでしょう。
まとめ

看護研究のストレスの原因は、ほとんどが、「やっても意味がない」「負担が増えるだけ」というのがほとんどです。やりがいのない仕事を任せられ、日常業務に支障が出てしまうと、「私は看護師として何をやっているんだろう」と無気力な気持ちも出てくるでしょう。
看護研究をしなくてもいい職場もあるため、看護研究に嫌気が差したナースは、多くの場合転職をしているようです。看護師として有意義に働くことは自分のためにも患者さんのためにも必要なことです。あまりにつらいなら、一度転職を考えてもいいかもしれません。


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