小児周産期災害リエゾンとは?役割と実際の活動内容

小児周産期災害リエゾンという言葉を聞いたことがありますか。

 

地震などの自然災害の多い日本では、この小児周産期災害リエゾンが災害時の小児周産期医療を支えていく大切なものになるといいます。

 

ここでは、小児周産期災害リエゾンの役割や活動内容について知っていきましょう。

 

小児周産期災害リエゾンの リエゾンって何?

小児周産期災害リエゾンの リエゾンって何?

小児周産期災害リエゾンと聞くと、周産期医療と災害に関わる何かであることは分かるかもしれません。しかし、看護師の方には「リエゾン」という言葉が聞きなれず、頭の上にはてなマークが浮かんでいる方も多いのではないでしょうか。

 

リエゾンとは、フランス語で「連携」や「連絡」を指す言葉です。ここから想像すると、小児周産期災害リエゾンは、「小児」「周産期」の医療を、「災害」時に、どうリエゾン(連携)するのかといった事柄が関係していることが浮かび上がるでしょう。

 

小児周産期災害リエゾンは、まさに災害時にどのような形で小児・周産期医療のサービスを施していくかという取り組み全体のことを示します。

 

リエゾンは医療現場でも使われている

リエゾンは医療現場でも使われている

リエゾンは、実は精神科リエゾンなど医療現場でも使われることがあり、この精神科リエゾンの場合は、身体疾患がある患者の心理的問題をチーム医療で対応していく取り組みのことを指していいます。

 

リエゾン精神医学やリエゾン精神看護といった理念が確立されており、医療サービス全体を指していうこともあるようです。

 

2.小児周産期災害リエゾンの役割

小児周産期災害リエゾンの役割

小児周産期災害リエゾンは、災害時の現場でどう医療サービスを施すかということを検討、行動に移せるようにしていく点を担います。小児周産期災害リエゾンに求められる主な機能は、以下の4点です。

 

  • 被災地での小児
  • 周産期医療のニーズの情報収集と発信
  • 被災地外での小児
  • 妊産婦受け入れ体制の構築
  • 平時の小児
  • 周産期医療ネットワークの構築、訓練
  • 行政機関連携した災害時の小児や妊産婦にかかわる医療
  • 保健の課題解決

 

災害時は同時に多くの患者が発生するため、どのように効率的にサービスを提供するかが大切になり、連携のスムーズさが医療サービス全体の質にもつながってきます。

 

小児周産期災害リエゾンの活動は広範囲に求められている

小児周産期災害リエゾンの活動は広範囲

命に関わることもあるため、災害時の小児・周産期医療を事前に確立しておくことも小児・周産期医療では必要です。

 

加えて、幼児や乳児だけでなく、妊産婦も周産期医療の範疇となります。小児周産期災害リエゾンの支援体制は、かなり広い範囲に及ぶことが予想されます。

 

適切な判断を下す・医療システムを構築することが求められる

適切な判断を下す・医療システムを構築することが求められる

被災地で発生した患者は、通常ICUや無菌室などで管理を行うべき患者も発生しますが、なかなか万全な体制では医療サービスを施すことができません。

 

その場合は、小児周産期災害リエゾンが働きかけ、適切に近隣の病院へ搬送や、治療を続けるなどの対処が大切になります。

 

そのため、小児周産期災害リエゾンでは、これらの情報を適切に扱うことで必要な処置が行えるように、医療をシステム化しておくことも求められます。

 

システム構築だけでなく人との繋がりも必要

小児周産期災害リエゾンの場合、災害の起こった被災地の中での医療サービスの連携を司るだけでなく、被災地外との連携なども重要な課題点です。患者を搬送するにも、救急車などの車両なのか、ドクターヘリなのかなどの選択があります。

 

患者の状況や周囲の医療サービスの状況を適切に迅速に把握し、小児周産期医療従事者の多くと協力する大切を構築することが、小児周産期災害リエゾンの役割として求められています。

 

3.小児周産期災害リエゾンの災害時の活動基準

小児周産期災害リエゾンの災害時の活動基準

小児周産期災害リエゾンは、災害時以下の基準で参集されます。

 

  • 震度6以上の地震、死者数が2人以上50人未満、または傷病者数が20名以上見込まれる災害の場合
  • 震度6以上の地震、死者数が50人以上100人未満見込まれる災害の場合 
  • 震度7の地震、死者数が100人以上見込まれる災害の場合 
  • 地震以外の自然災害の場合(風水害、土砂災害、火山噴火など) 
  • ・域内で災害対策本部が立ち上がった場合

 

参集された場合の、小児周産期災害リエゾンの災害時の活動内容を知っていきましょう。

 

小児周産期災害リエゾンの活動場所

小児周産期災害リエゾンの活動場所

基本的には、都道府県の災害対策本部が望ましいとされています。その他、災害拠点病院・大学病院・総合周産期母子医療センター、保健所なども活動拠点になります。

 

また、DMAT調整本部やDMAT活動拠点本部、災害医療コーディネート本部やその近隣で連携しやすい場所も活動拠点となる可能性があり、小児周産期災害リエゾンが活動する場所を小児周産期医療調整本部とする可能性もあります。

 

小児周産期医療調整本部で活動する要員

小児周産期医療調整本部で活動する要員

小児周産期医療調整本部で活動するにあたって、要員は以下のように定められています。

 

  • 小児周産期災害リエゾンを本部長として、情報収集や連絡などの実務にあたる複数名の要員で構成する。
  • 本部の要員は、小児周産期災害リエゾンの所属施設職員やDMATの資格を有する小児周産期医療従事者、小児周産期災害リエゾンとしても活動できる程度の研修を受けたものを配置するようにする。

 

活動を行うには、このような条件を満たす必要があります。

 

4.小児周産期災害リエゾンの災害時の任務

小児周産期災害リエゾンの災害時の任務

まずは被災地内の小児周産期医療施設がどうなっているのか、被災状況などを把握します。また、重症の小児患者、特殊治療が必要な小児患者がいれば、その状況や搬送の必要性も知る必要があります。

 

小児周産期医療では、新生児や妊産婦の状況も把握しなければいけません。必要な物資は何かなども、洗い出していきます。

 

医療コーディネート

医療コーディネート

現状が把握できたら、被災地内で受け入れが可能な医療機関などを探し、重症な小児患者等を転院・搬送していきます。

 

多くの被災者が出る被災地では、搬送が必要な小児や新生児、妊産婦のリストも作成します。DMAT都道府県調整本部、都道府県災害医療コーディネーターと連携しながら、受け入れ病院への転院搬送プランを作成するのが任務の1つです。

 

被災地外への要請

被災地外への要請

被災地内ですべての医療が行えない可能性もあります。その場合は、被災地外の小児周産期災害リエゾンと連携して被災地外への搬送も計画します。

 

的確な支援や助言

的確な支援や助言

DMATなどの救護班も、単独で被災者への処置を行っています。その場合は、小児周産期災害リエゾンは必要以上には介入せず、ある程度任せ、より多くの人の対処ができるようにバランスを取って活動します。

 

ただし、必要であれば小児周産期医療施設などに協力し、情報やニーズを適切に把握しながら、調整役を担うこともあります。

 

児周産期災害リエゾンは被災地外でも活動する場合がある

大規模災害の際には、被災地外の小児周産期災害リエゾンも活動することになります。震度6強以上の地震や死者数が50人以上見込まれる災害が発生した場合等は、小児患者を重症度別に集計して、地域の防災担当部局へ報告するなどの動きも必要です。

 

重症な小児患者が発生した場合を見込んで、現地の小児患者のリストなども作成していきます。被災地外への搬送が決まった際に、スムーズに情報が収集できるようにする体制が必要だからです。

 

搬送先の選定や助言、確保

搬送先の選定や助言、確保

患者を搬送するには、その搬送先が必要な医療サービスを提供できるのかなどもきちんと確認することが大切です。ミスマッチが起きれば、患者が適切な治療を受けられない可能性もあります。

 

小児周産期災害リエゾンは、そのようなミスマッチが起きないように搬送先を選定や、必要であれば助言なども行います。

 

その他、車両やヘリコプターなど搬送手段や搬送予定時刻などを搬送依頼元へ情報提供や、円滑に治療へと移れるように調整なども行います。

 

5.急性期医療後の活動内容

急性期医療後の活動内容

患者の状況が落ち着き、急性期の期間が終わっても、小児周産期災害リエゾンの活動は終わりません。慢性疾患がある小児に対し、支援を続けていきます。

 

この時期は、日本小児科学会などと連携を取り、特殊薬や特殊ミルクなどの需要と供給の様子を見ていきます。

 

必要な物資を長期に渡り提供する

必要な物資を長期に渡り提供する

特殊ミルクなどは、被災状況によっては手に入れにくい状況に陥ることもあります。必要であればメーカーなどの生産状況、在庫状況も確かめ、各機関へ情報提供を行います。

 

避難所などでは、必要な物資が不足することも多いです。そのため、避難所の患者たちの医療・保健に関するニーズも把握し、保健行政とも連携して、情報を共有していきます。

 

6.小児周産期災害リエゾンの平時の活動内容

小児周産期災害リエゾンの平時の活動内容

小児周産期災害リエゾンは、災害時だけ活動しているわけではありません。

 

平時には各地の災害対策などを知るために、小児救急がテーマとなる会議などに参加や、都道府県・地域メディカルコントロール協議会などへの参加をしていきます。

 

そのほかにも、体制を整えるためには情報交換等を行い、全国の小児周産期災害リエゾンとの連携する必要があります。

 

災害時に備えて事前に現状の把握をしている

災害時に備えて事前に現状の把握をしている

災害時に診療体制を確保するため、小児・周産期医療体制を把握しておくことが必要です。高度な医療を提供できる施設、特殊治療が可能な施設、救急救命センターや災害拠点病院の指定状況、ヘリポートの使用の可否など、都道府県の担当者などと連携しながら情報を整理していきます。

 

連絡網の構築と更新を随時行う

医療施設などの状況を把握したら、次に、それらの関係機関との実際の連絡を取るために連絡網を作ります。また、随時その連絡先に変化がないか、情報の更新も行います。

 

医療施設との関係を深める

医療施設との関係を深める

各位学会との連携体制も課題の一つです。

 

日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、日本周産期・新生児医学会、日本小児科学会、日本小児科医会、日本小児救急医学会、日本助産師会などとの関係を深めていきます。

 

災害時小児・周産期医療業務継続計画策定の支援をする

災害時小児・周産期医療業務継続計画策定の支援

災害時の小児・周産期医療業務継続計画の策定を行い、必要であれば各関係機関で小児周産期医療BCP策定について助言などもしていきます。

 

災害時に円滑に連携が取れるよう、小児周産期災害リエゾンの活動場所に専用の衛星電話を設置や、あらかじめ連絡手段を確保しておくよう促すことも役割の一つです。

 

その地域で災害が起こらなくとも、近隣の都道府県で災害が起こるケースも考え、小児周産期災害リエゾンの派遣体制についても考えていきます。

 

災害訓練の実施を行う

災害訓練の実施を行う

小児周産期災害リエゾンでは、災害時に備えて災害訓練も実施します。DMATなどの救護班との連携を深めるためにも、この訓練の実施は必要です。

 

災害訓練では、DMAT都道府県調整本部、都道府県災害医療コーディネーターなどと連携を取って、情報収集や搬送コーディネートなどの訓練をします。

 

小児周産期災害リエゾンの認定

小児周産期災害リエゾンの認定

すでにあるリエゾンの機能を深めていくだけでなく、小児周産期医療施設の医師などを増やしていくことも重要です。情報収集などが可能な複数のリエゾンに、小児周産期災害リエゾンの委託をしていきます。

 

認定時には、ただ認定するだけでなく、災害・搬送医療等の知識を共有することも大切になります。地域性や医療事情などに精通していなければ、有事の際に活動が滞る可能性もあるからです。

 

まとめ

まとめ

小児周産期災害リエゾンでは、災害時の医療体制、医療搬送体制、災害時母子保健活動などについての研修を受けることも勧めています。

 

小児周産期災害リエゾンの災害時の活動は、平時に近い状況だと判断できるまで続いていきます。ただし、小児周産期医療施設からのニーズがあれば、コーディネートを継続することも…。

 

災害の規模などはその時にならなければわかりませんが、医療が必要な時に、必要な人へ届くよう、柔軟な対応が求められることを前提として、小児周産期災害リエゾンは活動していきます。

 

日本は地震大国ともいわれ、幾度も災害に見舞われてきた国です。小児周産期災害リエゾンは、今後も、日本国民の命を支える重要な役割を担っていくでしょう。

 

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