
災害時に活動する災害医療チームJMATは、日本医師会によって組織された集団です。
災害時には、さまざまな機関が被災地の医療を担っていきますが、JMATはどのような活動を行うのでしょうか。ここでは、JMATでの看護師の役割や仕事内容をご紹介していきます。
1.災害医療チーム「JMAT」とは

災害時にはさまざまな医療機関が医療サービスに従事するために参集されます。
その中でも災害医療チームJMATは、3日程度で撤退するDMATと入れ替わるように被災地入りし、現地の医療体制が整うまでの間の医療を担います。
日本医師会による災害医療チーム

災害医療チームJMATは、日本医師会によって組織される集団です。東日本大震災でも医療支援活動を行い、現地の医療体制の大切な役割を担いました。
JMATは、医師、看護師、薬剤師、その他の医療従事者や関係者、事務員などがチームとなって活動します。
1人で考え1人で動けるスタッフが揃っている

JMATのメンバーには、1人で考えて1人で動けるスタッフが揃っています。なぜなら、現地では4〜6人など、比較的少人数で活動することも多いからです。そのため、一人ひとりの医療従事者には豊かな医療経験や知識が必要です。
2.JMATの看護師の役割について

災害医療チームJMATの看護師の役割は、とても大きいものです。医師のように直接的な医療行為はできませんが、それでもケガの処置をできる看護師はとても重要な要員です。
被災者の中に不調を訴えたりする人がいれば、早急に適切な治療をすることもできますし、被災地に看護師がいるということが、被災者たちの心の安心にもなるでしょう。
主な役割は被災者への「声掛け」

JMATでの看護師の役割は、被災者や患者たちへの声掛けが中心になります。もちろん、必要な処置などは行なっていきますが、災害時は意外な病症が発生する時です。
ストレスによって災害発生から時間が経ったのち、身体に不調を訴える人も少なくありません。緊急時となると、少しの痛みや不調を我慢する被災者もいるため、ささいな不調に気づくことが、治療の第一歩にもなります。
身体に不調のある人を探っていく

災害医療チームJMATは、すでに病気がケガなどを発症している患者の治療にあたりながら、避難所なども巡回していきます。そこで、身体に不調を訴える人がいないかなどを、声掛けをしながら探っていくのです。
看護師ならではのコミュニケーション能力が求められる

看護師は普段から、病院などでいろんな患者を見ています。コミュニケーションから異常を察知したりするのに優れており、被災地の避難民の健康を守ることができるのです。
手を貸せるところに積極的に関わる

実際に看護師としてJMATの活動を行った人の中には、「基本的にはなんでも請け負った」と答える人が多いようです。被災地は医療環境が整っていないどころか、普通の生活を送るのも大変な状況です。食べ物なども支給されるものしかく、すべての人が不便を感じながら暮らしています。
そのため、手を貸せるところには積極的に関わっていくという姿勢が、JMATの看護師として活動するには必要なのです。
多角的な関わりを心がける

JMATで活動する看護師は、時には被災者の子供と一緒に遊んだりすることもあるといいます。多角的な関わりの中で被災者の健康を守ることが、看護師の重要な役割です。
3.JMATでの看護師の主な仕事内容

ここからは、JMATでの看護師の仕事内容に具体的に触れていきましょう。看護師のJMATでの仕事内容は以下の通りです。
- 避難所の回診
- バイタルサインの測定
- 医療ケアが必要な被災者への対応
- 被災者への精神的ケア
普段の看護業務で得た知識・技術をフル活用し、限られた資源の中で出来る限りのことを行っていきます。
仕事の中心は避難所の回診

少人数のチームで活動するJMATですが、基本的には避難所を回診することが仕事の中心となります。震災から数日経ってから参画するJMATは、すでにDMATなどの救護班が手当した患者などを引き継ぐ形で回診していきますが、避難生活の中で新たに発生した患者なども、この回診の中で見ていくことになります。
医師が行う診察の補助

診察自体は医師が行うため、看護師はその補助的な役割を果たしていきます。包帯交換や、飲み薬や注射での投薬など、多岐にわたる任務を果たし、場に応じた手当を行うのが仕事です。
バイタルサインの測定

被災地では、十分な医療体制が整っていません。身体の変調に早く気づくためにも、バイタルサインの測定をすることは保健の面でとても大切になります。
災害が起こると、ケガ人などが少なからず発生します。災害時にケガをした人などの手当は、ケガが治るまで必要になりますので、定期的に処置にあたることが看護師の仕事となります。
医療ケアが必要な被災者への対応

病院や自宅で療養中だった人、持病のある人なども被災地では治療や処置が必要です。今まで入院や通院していた病院が被災してしまうこともありますので、このような医療ケアが必要な人も手当していきます。
経過観察中の患者は看護師の担当となることが多い
JMATは比較的少人数でチームを組んで活動しますので、必ず医師がすべての患者の様子をチェックできるわけではありません。医師は重病や重症の患者につきっきりになることもありますので、経過観察中の患者などは、看護師の担当となることが多いです。
被災者への精神的ケア

東日本大震災や熊本地震でもいわれましたが、避難生活が長引くほどに、被災者たちはストレスを抱えて身体に不調を感じる傾向があるようです。
実際にJMATとして被災地で活動した看護師たちも、「精神的ケアがとても大切だと感じた」と発言しており、避難所の回診などを通して患者や被災者とコミュニケーションを取ることの必要性を唱えています。
被災者らが受けるストレスは体調不良をきたす

被災者らが受けるストレスは、さまざまな身体の不調をきたします。ただ精神的に憂鬱になるだけでなく、原因不明の頭痛や腹痛などを伴うことも多いです。
こうした場合、ただの投薬だけでは改善しないことも多く、密なコミュニケーションや声掛けが症状を緩和するとも言われています。
まとめ

被災者たちはストレスを感じる不便な生活をしていますが、それも少しの心がけで好転することがあります。つらい病気を抱えていても、ひどい怪我をしてしまっても、その回復は精神状態の前向きさが左右するもの。
また医師はどうしても一人ひとりの患者を丁寧に診ていくことができないこともあり、看護師が積極的に被災者に声をかけ、避難生活の中で新たな患者を増やさないことも気にかけなければいけません。看護技術の高さそのものも大切ですが、JMATとして活動するには、患者の立場になって共感し、つらい状況の中でも心を軽くするように接していくことが一番重要でしょう。


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