
少しつまずいただけで骨折してしまうという骨粗鬆症。高齢になってからの骨折は、寝たきり生活の可能性を高め、それが原因で認知症などの引き金になることもあります。
骨粗鬆症は骨折をするだけでなく、生活や人生を変えてしまう可能性のあるものです。骨粗鬆症マネージャーは、そんな介護生活を予防するために働きかける役割を担う資格です。どんな資格なのか、取得のポイントなども掘り下げてみていきましょう。
1.骨粗鬆症マネージャーとは?

骨粗鬆症マネージャーとは、「骨粗鬆症領域における基本知識と技能」を習得したスタッフのことをいいます。
この資格は一般社団法人日本骨粗鬆症学会の認定資格で、骨粗鬆症の予防、診断、治療、骨粗鬆症予防のための啓発活動、健康格差の縮小や健康寿命を伸ばすことなど、骨粗鬆症にまつわるあらゆることについて活動したり学んだりしていきます。
骨折の治療と予防をサポートする

骨粗鬆症マネージャーは骨折した患者の治療をサポートし、再度骨折しないようにサポートをするのが、骨粗鬆症マネージャーの仕事です。
実際に骨粗鬆症マネージャーは、骨粗鬆症が原因で骨折した人などへ、適切な治療のアドバイスなどをしていきます。通常の骨折を治すような治療だけではなく、食事や運動など、生活習慣にまでアドバイスをしていくのです。
健康寿命を伸ばすことに大きな影響を与える

骨粗鬆症は投薬などによってももろくなりやすく、薬を飲む機会が増える高齢者は、より気をつけなければいけません。
これから超高齢化社会へと向かうため、骨粗鬆症マネージャーの働きは健康寿命を伸ばすことに大きな影響を与えていくでしょう。
2.看護師が骨粗鬆症マネージャーの資格は取得するメリット

先述した通り、骨粗鬆症マネージャーの役割は、今後の日本の社会でも重要な役割となります。
しかし、それ以上に、看護師としてこの資格を取得するとどんなメリットがあるのでしょうか。
入院患者の骨折予防に役立てられる

入院患者が転倒・転落し、骨折をするケースはとても多いですが、看護師が骨粗鬆症マネージャーとして機能していれば、そうした事態は防げる可能性が高くなります。
そう思うと、看護師として患者に最良の看護ケアを施すなら、とても重要な資格だと感じられるのではないでしょうか。
希少価値が高いため転職が有利に働くかも

2016年の4月の時点では、骨粗鬆症マネージャーの資格を取得している人は1,100人程度であり希少価値が高い資格だと言えます。
そのため、もしこの資格を取得していれば、転職活動等で有利に働く可能性もあります。
地域で活躍する機会が増える

骨粗鬆症マネージャーは社会への啓発活動なども行う立場にあります。
そのため、医師や医療従事者などと連携し、転倒防止の対策をしたり、運動などで骨折を防止したり、地域での活動が広がる可能性があるのです。
看護師が骨粗鬆症マネージャーの資格を取得するには

さて、これだけメリットもある骨粗鬆症マネージャーの資格は、どうすれば取得できるのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
STEP1:骨粗鬆症マネージャーの受験資格を満たす

骨粗鬆症マネージャーには、受験資格が定められています。その受験条件は、
- 日本骨粗鬆症学会会員であること
- 臨床経験があること(看護師として働いていればこの条件は満たしています)
- 過去3年以内に同学会実施の骨粗鬆症マネージャーレクチャーコースを1回以上受講している
レクチャーコースは3月と9月頃に行われる
レクチャーコースが設けられます。開催日の1ヶ月前が目安で、定員に達し次第締切りとなりますので、受講する方は前もってチェックしておくと良いでしょう。定員は200〜300名で、東京や大阪、広島などで開催されます。
なお、レクチャーコースに参加すると、骨粗鬆症の診断、治療、運動療法や食事療法、転倒予防や薬物療法など、最新の情報を得ることができます。
STEP2:11月上旬に行われる認定試験を受ける

毎年11月上旬頃に行われます。申し込み期間は7下旬〜9月上旬で、会場は東京のみとなりますので注意してください。受験料は5,000円で、試験内容は120分間のマークシート式テストです。
無事、骨粗鬆症マネージャーの認定試験に合格したら、認定の手続きをしなければいけません。認定料は15,000円です。
認定試験の問題はすべてマークテスト
資格を取得する際に気になるのが試験問題でしょう。この試験問題はすべてマークテストで、設問は55問、5つの選択肢から正しい答えを選ぶというスタイルのものです。
問題の内容としては、骨粗鬆症患者の割合を尋ねるものもあれば、納豆に含まれる栄養素などを尋ねられるケースもあります。ある程度過去問などを参考にしながら勉強する必要があるでしょう。
資格取得後は5年毎の更新が必須

骨粗鬆症マネージャーの資格は5年おきに更新する必要があります。そのときに、前回の認定から認定更新時点までに指定の研修単位50単位以上を取得している必要があるので、そのことを踏まえて受験するようにしてください。
更新するための条件について
更新までの5年間の間に継続的に日本骨粗鬆症学会の会員であること、会費をすべて完納していること、1回以上の日本骨粗鬆症学会学術集会に参加していること、骨粗鬆症マネージャーの活動記録を提出することなどが定められています。
まとめ

骨粗鬆症マネージャーは、広く骨粗鬆症について学ぶ必要があります。ですが、実際に患者さんに予防方法などをアドバイスしていくときには、食事内容や運動、転倒防止対策などの具体的な方法をレクチャーしなければいけません。
様々な骨折状況を学び、骨粗鬆症に詳しくなることはもちろんですが、相手に伝わりやすく、取り入れやすい指導が要になります。
看護師の方でも働きながら十分に働ける資格ですので、ぜひ、今後のキャリアアップや転職のために、資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。


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